2013年9月アーカイブ

 内閣府の推計によると、家事や買い物、育児、ボランティアなどに充てられた「無償労働」を金額換算すると、平成23年は過去最高の約138兆5千億円になることがわかりました。名目国内総生産(GDP)の約3割に相当し、8割が女性でした。

 内閣府は「女性の社会進出が進み、家事や育児の一部を企業や保育所などに任せれば、産業が振興して経済成長につながる可能性がある」と指摘しています。

 無償労働の中では「家事全般」が最も高く約88兆6千億円にのぼります。買い物は約27兆2千億円、育児は約14兆8千億円、介護は約3兆4千億円、ボランティアなど社会活動は約4兆5千億円でした。推計は総務省の「社会生活基本調査」を基に男女・年代別の賃金や人口を反映させて算出しています。

 政府は昭和56年分から5年ごとに結果を集計しています。高齢化が進み、推計算出に高い賃金を使う年代が増えているため、平成13年は約128兆8千億円、平成18年は約131兆9千億円と、無償労働額は毎回増えています。



 大阪市の印刷会社で現・元従業員17人が胆管がんを発症し労災認定された問題で、同社は24日、3人(1人は死亡)に対し補償金を支払うことで合意したことを明らかにしました。

 それによりますと、すでに亡くなった1人の遺族に対して1000万円、在職中の患者2人に対しそれぞれ400万円を支払う内容です。

 この問題では同社の17人全員が労災認定され、死亡者は計9人となっていますが補償に関し内容がまとめられたのは今回が初めてです。



 厚生労働省は、現行では1割となっている介護保険の自己負担割合について、一定以上の所得者については2割に引き上げる方針を固めました。年金収入が年間280万円以上、もしくは290万円以上の人が対象となる方向です。また、低所得者については、保険料の減額措置を拡大する方針です。高齢者全体の3割を占める世帯全員の住民税が非課税の人が対象となる方向です。

 この見直し案は、9月25日の社会保障審議会介護保険部会に提示される予定で、来年の通常国会では介護保険法改正案を提出し、2015年度からの実施を目指して検討が進められる見通しです。



 厚生労働省は9月18日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会で、特別養護老人ホーム(特養)の入居要件について、介護の必要度が高い中重度の要介護者に限定する案を示しました。厚労省が示したのは、特養の入居要件を現行の要介護1以上から症状が重い要介護3~5に限る案で、異論を唱える委員が続出しました。

 特養は要介護認定された65歳以上が入る施設で全国に約7500あり、入所者は約48万人。特養に入所したくてもできない待機者は都市部を中心に約42万人います。そのうち要介護4や5の人が、約6万7000人いるとされています。一方、2011年段階では特養の全入所者の12%が、軽度の要介護者(要介護1か2)で占められていました。

 こうした状況を受け、厚労省は、特養に対して、要介護度や家族の状況などを踏まえ、必要性が高い申込者を優先するよう求めており、新たに入所する人については要介護度が3以上の人に限定すべきとしました。来年の通常国会に介護保険法改正案を提出し、2015年度に実施する方針です。



 現在、国内の雇用者に支払った給与総額が基準年度(3月期決算企業の場合は12年度)より5%以上増えたなどの条件を満たせば、給与総額の増加分の10%(中小企業は20%)を法人税額から差し引ける、となっている減税制度が、2014年度から2~3%増えた企業についても小幅な税優遇を受けられるようにする方向で政府が検討に入りました。

 現行の減税制度は、企業にとっては条件が厳しく、ほとんど利用実績がなかったため、給与支給総額を2~3%増やした段階で、まず給与総額の増加分の数%を税額控除できるようにする形で調整し、さらに給与増5%を達成すれば、現行制度と同程度の税控除を受けられるようにする2段階制を採るとしています。

 5%以上という条件を残して新たに2~3%以上の枠を作ることで、段階的な賃上げを促すことを見込んでいます。さらに減税の条件がよい7%以上や8%以上といった枠を設けることも検討しています。



平成28年10月から500人超の事業所を対象に、週20時間以上働けば社会保険に加入となるにあたり、労働政策研究・研修機構は、昨年、全国の3600の事業所と5300人余りのパート労働者を対象に、この改正について意識調査を行いました。  パート労働者のうち、社会保険の自己負担分を支払うために労働時間を増やしたいと答えたのは42%で、事業所の33%は、コストの増加を避けるため社会保険が適用されないよう労働時間を20時間以下に短くしたいと回答しました。

 政府は12日、規制改革会議の会合で「農業」や「健康・医療」「雇用」など計約50項目の規制緩和策を検討することを正式に決めました。

 雇用では、労働者派遣制度の見直しを優先課題にするほか、限定正社員のルール整備、また原則禁止されている「日雇い派遣」の解禁についても議論がされます。



 厚生労働省は9月10日、2012年度の概算の医療費が前年度比約6000億円増の38兆4000億円になったと発表しました。1人当たりの医療費も1.9%増加して30万1000円となり30万円台を初めて記録。いずれも10年連続で増え、過去最高を更新しました。ただ近年、前年度比で3%を超えていた伸び率は、1.7%に縮まりました。

 病院の平均入院日数は約33.8日で、5年前より3日近く縮まりました。1人当たりの医療費を年齢別でみると、70歳未満が18万1000千円(前年度比1.4%増)、70歳以上は80万4000円(同比0.2%減)でした。



 大学生の就職活動の「後ろ倒し」を検討してきた経団連の最終案が、9月7日に明らかになりました。
現在、会社の採用活動は、大学3年の12月から始まります。新らしいルールでは、就活の時期を遅らせたい政府の意向が反映しており、大学4年の3月からはじまることとしています。

このルールは、「就職活動の時期が長すぎて、学業がおろそかになる」という大学側の意見を受け安倍首相が経済界に要請していたものです。

 指針では、企業にどうルールを守ってもらうかの結論が先送りされています。ルールを守った企業が採用活動のスタートの遅れで損をする事態や、就職活動する学生の混乱を防ぐための対応が今後必要になってきます。

 経団連に加盟していない外資系やIT企業の一部が、スケジュールの繰り下をしない方針をだしています。現在のところ経団連の加盟企業は新ルールを順守するという企業が多いですが、人材確保の競争が激しくなっている現状を考える新ルールを守らない企業も出てくる可能性があります。

また、4年生の4月に解禁される選考開始の時期も、8月に後ろ倒しします。2016年4月に入社する現在の大学2年生から適用する予定になっています。



 厚生労働省は9月4日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会に、症状の軽い「要支援者」向けのサービスを介護保険給付から市町村事業へ移す見直し案を提示しました。2015年度から3年程度かけて、市町村が独自に日常生活支援をしている地域支援事業に移します。サービス内容や料金を市町村の裁量とし、担い手はボランティアや地域住民が主体となるため、コスト削減を図ることができます。

 見直し案は、要支援サービスを介護保険の対象から外し、市町村が独自に高齢者の日常生活支援などを行う「地域支援事業」(11年度約1570億円)に一本化します。要支援サービスへの介護保険の給付額は、同年度は4512億円。移行後の総事業費も、移行前の給付費事業費と給付費をあわせた額(11年度で約6000億円)と同程度にする予定です。



 地域別の最低賃金で働いた場合の実質的な収入が、生活保護費の給付水準を下回る逆転現象が起きている11都道府県のうち、北海道を除く10都府県で逆転が解消することが3日、明らかとなりました。同日までに、青森県で最低賃金(時給)が654円から665円に、宮城県で685円から696円に、熊本県で653円から664円に引き上げるなど、関係各地の2013年度の改定額がまとまったためで、10月中旬以降、新たな最低賃金が適用される見通しです。

 最低賃金が時給719円の北海道は、22円の引き上げで逆転現象を解消できることとなっていましたが、地方審議会が答申した改定額は15円増の734円にとどまり、全都道府県の解消は来年度以降に先送りされることとなりました。



厚生労働省は、9月を「過重労働重点監督月間」として、9月1日に全国8ブロックで無料の電話相談を実施したところ、1日の電話相談に1042件の相談が寄せられました。「残業代不払い」についての相談が最も多い結果となりました。過重労働が疑われる企業などに関する相談を踏まえ、労働基準関係法令違反が疑われる企業に監督指導する方針です。

9月2日以後も、都道府県労働局と労働基準監督署で電話相談を受け付け、また開庁時間外は厚生労働省のホームページ内の「労働基準関係情報メール窓口」でも相談や情報を受け付けています。