2013年7月アーカイブ

 政府は、2014年度一般会計予算の大枠となる概算要求基準で、政策に充てる経費の一般歳出の上限を数字で示さないことを27日に決めました。消費税増税の最終判断前のため税収の見通しや経済情勢や税収など不透明な要素が多く、予算編成に柔軟性を持たせるべきだと判断したためです。 8月上旬に決める概算要求基準は、各省庁からの予算要求に歯止めをかけるために歳出上限をあらかじめ決めておくものです。上限を示さないのは異例のことになります。  政策経費では、医療・介護・年金といった高齢化に伴う社会保障費の自然増を9,000億~1兆円程度とします。人口構成などの特殊要因で8400億円だった2013年度を上回ります。財源を捻出するため公共事業などの既存経費を2013年度に比べて一律10%を目安にカットします。  具体的な数値を示すのは、14年度予算編成が本格化する秋以降となります。

 福島労働局は7月24日、東京電力福島第1原発事故の除染作業にあたっている388業者に対する調査の結果、68%に当たる264事業者で割増賃金の未払いや労使協定の未締結などの法令違反があったと発表しました。違反の総件数は684件で、労働基準法や労働安全衛生法に基づき是正指導しました。

 調査は今年1~6月に実施。違反率は68%で、前回調査(昨年4~12月)の44.6%から大幅に増えました。

 7割は労働基準法違反で、割増賃金の未払い(108件)が最も多く、賃金台帳の未作成(90件)、労働条件を明示していない(82件)などが目立ちました。残り3割は労働安全衛生法違反で、作業前に現場の放射線量を測定していなかった(20件)、放射線に関する特別教育を実施しない(16件)、作業後の汚染検査をしない(14件)などが多くみられました。



 厚生労働省は23日、地方の製造業などを支援し、安定した雇用の機会をつくるため「戦略産業雇用創造プロジェクト」を立ち上げ、岩手県など11道府県の事業を支援対象に決めたと発表しました。

 今回のプロジェクトは、都道府県が提案した事業構想の中から、産業政策と一体となり、雇用創造効果が高い取組をコンテスト形式で選び、年間10億円を上限に最大3年間、実施する費用の8割を補助するものです。 5月中旬から6月中旬に平成25年度の募集を行い、外部の有識者からなる第三者委員会で審議をした結果、応募があった地域の中から11地域を採択しました。採択された事業構想は、今後順次、実施される予定です。

<今回の採択地域>  
1.北海道 2.岩手県 3.石川県 4.三重県 5.京都府 6.鳥取県 7.山口県 8.福岡県 9.長崎県 10.大分県 11.宮崎県

 最低賃金の引き上げについて協議する厚生労働省の審議会は、最低賃金で働いた場合、1か月の収入が生活保護の受給額を逆転現象が11都道府県が起きていると発表しました。

 11都道府県は、北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島で、時給で比べた生活保護費との差は、北海道の22円が最大です。

 中央最低賃金審議会は今回の調査結果をもとに、今年度の最低賃金引き上げの目安を議論する予定です。



 経済協力開発機構(OECD)は7月16日、加盟34か国の雇用状況についてまとめた報告書「雇用アウトルック2013」を発表しました。

 日本の25~54歳の男性の就業率は91.5%と加盟国中スイスに次ぐ2位だった一方で、同世代の女性の就業率は69.2%で加盟国中24位でした。

 OECDはこの結果について、日本では学校卒業後、多くの女性が就職するものの、そのうち約60%が第1子出産後に退職すると説明。日本の生産年齢人口の減少予測や高齢者依存比率の高さに鑑み、女性の労働参加を促すために、長時間労働の削減や勤務時間の柔軟化、正規・非正規労働者の雇用保護格差の是正などの対策を取るべきだとしています。



 田村憲久厚生労働相は16日の閣議後の記者会見で、今年度から2025年度にかけて厚生年金の受給開始年齢を段階的に引き上げている最中であるため、25年度までにさらに受給開始年齢を引き上げることはない、と述べました。今後慎重に検討していくということです。  

 総務省が12日、2012年の就業構造基本調査によって、非正規労働者の総数(推計)が2042万人となり2007年の前回調査から152万人増加し、初めて2000万人を超えたと発表しました。

 調査は5年に1回行われており、1992年の非正規労働者数1053万人と比較すると20年間でほぼ倍増し、また、雇用者全体に占める割合は38.2%と2.7ポイント上昇して過去最高を更新しました。

 年齢別で見ると55歳以上が55.8%で最も高く半数以上が非正規労働者でした。都道府県別の就業率で見ると東京(62.5%)、愛知(61.4%)と高く、非正規労働者の割合では沖縄(44.5%)、北海道(42.8%)が高くなっています。



 7月11日、厚生労働省は育児休業給付の制度について増額の検討に入りました。年内に労働政策審議会の雇用保険部会で給付率の引き上げ幅などを議論し、来年の通常国会への雇用保険法改正案の提出を目指しています。

 育児休業給付は、原則として1歳未満の子供の養育のために育休を取得した場合、要件を満たしている育児休業の取得者に、雇用保険から休業前の賃金の原則50%を支給する制度です。これについて厚生労働省内では60%への引き上げなどの案が出されています。

 男性の育児休業取得率の向上を促進し、女性が出産に伴って離職する傾向に歯止めをかけ、育児への支援の充実で、少子化対策につなげる方針です。



 政府は8日、最低賃金を今年の10月の25年度改定に引上げる方針を固めました。政府の2%の物価上昇目標とあわせるかたちで、引上げ幅は2%を検討しています。
 基準を大幅に超える長時間労働で脳出血を起こし、平成24年5月に亡くなった埼玉県の会社取締役の男性のの遺族や担当弁護士が7月5日、東京労働局に労災認定されたと発表しました。取締役が労災認定されるケースは珍しいそうです。

 担当弁護士によると、男性は平成19年、勤務先の建築工事会社の取締役に就任していました。横浜支店長として茨城や静岡、埼玉などの工事現場で、調査業務を担当をしていました。平成24年年5月に死亡する直前の1か月間の時間外労働は160時間以上に上り、厚生労働省が死亡との因果関係を認める基準(100時間)
を大きく超えていました。タイムカードや業務日誌などから長時間労働による過労と死亡の関係が証明されたそうです。今後は損害賠償請求訴訟も検討するそうです。

 労災は通常、取締役には適用されませんが、雇用保険に加入し、取締役の報酬や金額の状況、就任した経緯、業務の内容から判断し、「名ばかり取締役だった」として労災が認定されました。
担当弁護士によると、中小企業では人数をそろえるため、実体のない取締役が増加していると指摘しています。「取締役でも名ばかりなら労災認定されると知ってほしい」と訴えています。



 厚生労働省が7月3日にまとめた2011年度介護保険事業状況報告によると、介護サービスの利用者負担(1割)を除いた給付費は、前年度比5.1%増の7兆6298億円でした。公的な給付費と利用者負担を合わせた費用総額は8兆2253億円となりました。

 65歳以上の高齢者(第1号被保険者)1人当たりの給付費は、同2.8%増の25万6000円で、過去最高を4年連続で更新しました。

 また、介護が必要だと認定された人は同4.8%増の531万人。65歳以上の1号被保険者に占める認定者の割合は17.3%で、前年度より0.4ポイント上昇しています。

 介護給付費は右肩上がりで増加し続けており、00年度の介護保険スタート時と比べると倍以上になっています。厚労省は「要介護認定者は当面増え続ける」とみており、介護給付費の増大のペースをいかに抑えるかが課題といえます。



 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2日、12年度の公的年金の運用益が11兆2222億円、運用利回りが10.23%と発表しました。全資産においてプラスの収益となり、過去最高であるということです。アベノミクス効果による急激な株価上昇と円安が大きく影響しています。

 運用資産別の利回りは、外国株式が28・91%、国内株式が23・40%、外国債券が18・30%、国内債券が3・68%。

 厚生労働省は6月30日までに、2011年の10月から2013年3月までの半年間に全国の130を超える事業所で、約190人の障害者が虐待などの被害を受けていたことを発表しました。

2011年10月に施行された障害者虐待防止法では、全国の労働局や労働基準監督署は、通報を受けた場合、職場で実際に虐待が起きているか調査することになっています。厚生労働省は、2013年3月末までの半年間の結果をとりまとめ、初めて被害状況を公表しました。

 虐待の内容で最も多かったのは、最低賃金より安い給与で雇用したり、給与を支払わないなど「経済的虐待」で164人、次いで暴言や差別的な言動をするなどの「心理的虐待」が20人、暴行を振るわれるなどの「身体的虐待」が16人となっています。また、虐待を行った人の内訳は、事業主が最多の83%、次に直属の上司が14%、同僚が3%となっています。

 厚生労働省は「事業主に対する指導を徹底するとともに、調査結果をさらに分析し、対策につなげていきたい」と話しています。