2013年4月アーカイブ

 健康保険組合連合会(健保連)は、健康保険組合の2013年度予算をまとめ、全体で経常赤字が4573億円に上り、6年連続で大幅赤字になるとの見通しを発表しました。全1420組合の8割強が赤字で、4割相当の557組合が保険料率を引き上げ、うち254組合は2年連続の上昇となりました。

 健保全体の平均保険料率(労使合計)も前年度比0.33ポイント高い8.64%となり6年連続で上昇。保険料率は比較可能な03年度以降で過去最高を更新します。

 赤字を埋める積立金は07年度末に約2兆8千億円ありましたが、14年3月末には約9700億円まで減少する見通し。白川専務理事は「2年強で積立金はなくなる」と述べました。

 社会保障国民会議は4月22日、国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移管する方向で一致しました。後期高齢者医療制度への現役世代の拠出金については、大企業の健康保険組合ほど負担増となる「総報酬割」の全面的な導入の方向でまとまりました。

 高齢化で財政が悪化していることや地域格差が拡大していることに対する改善が、国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移管するねらいとなっています。移管の環境整備のため国が国民健康保険に財政支援を行なうとみられており、8月の報告書に盛り込まれる見込みです。

 「総報酬割」の全面導入では、全国健康保険(協会けんぽ)への補助の分の公費が節約されることになり、国民健康保険の財政支援に使う案などを検討していく見通しです。



AIJ投資顧問に20億円超の運用を委託していた全国商品取引業厚生年金基金(東京)が2013年3月21日付け解散していたことが4月20日に判明しました。2012年2月に発覚したAIJ年金資産消失事件発覚後、同社に委託した基金の解散が表面化したのは初めてのケースです。別の委託基金も解散手続きに入っているといいます。

全国商品取引業厚年基金は中小の商品先物取引会社が集まってつくった基金でした。加入者の減少で厳しい財政状況が続いおり、問題が発覚して以降、いち早く解散方針を表明していました。
厚年基金は国に代わって厚生年金の一部を運用しており、代行部分の不足を補填しなければ解散はできません。同基金は、厚生年金の代行部分にも不足が生じる「代行割れ」状態だったため、加入企業が従業員数に応じた特別掛け金を支払い、不足分を穴埋めしました。

 厚生労働省は、運用難の厚年基金を解散させる法案の今国会の成立を目指しています。AIJには80以上の厚年基金や確定給付企業年金が委託していました。大半が財政難の基金で、法案が成立すれば施行から5年以内に解散しなければなりません。



 厚生労働省は4月17日、全国で生活保護を受けている人が1月時点で前月比2477人増の215万3642人となり、9か月連続で過去最多を更新したと発表しました。受給世帯も同2143世帯増の157万2966世帯と過去最多でした。

 世帯別では、「65歳以上の高齢者世帯」が最も多く全体の43%(68万2428世帯)を占めているほか、けがや病気などの「傷病者世帯」が19%(29万7342世帯)、働くことのできる世代を含む「その他の世帯」が18%(28万9978世帯)となっています。

 東日本大震災の被災者の生活保護受給世帯は、2011年3月から今年2月までの累計で1520世帯となっています。

 同省は、受給者の増加に歯止めをかけるため、不不正受給対策を強化する生活保護法改正案と、生活保護を受ける前の経済的に困った人に対する支援策の充実を盛り込んだ自立支援法案を今国会に提出することにしています。

 経団連は15日、現行の労働基準法が実態に即していないとして、見直しを求める提言を発表しました。

 主な提言の内容は、次のとおりです。

①企画業務型裁量労働制の対象業務や労働者の範囲の拡大
対象業務は労使の話し合いに委ね、労働者の範囲も現行法の「常態」ではなく「主として」に変更すること

②職務・地域を限定した社員の雇用や解雇のルールを法定化
特定の勤務地や職種が消滅した場合に労働契約が終了することを就業規則などで定めた場合には、その通りに契約を解除しても、解雇権の乱用に当たらないことを法律で規定すること



 一定の収入があったにも関わらず無収入と偽り生活保護費を不正受給したとして、警視庁立川署に詐欺の疑いで、東京都立川市の男性(54)と、同居の無職女性(47)の両容疑者を逮捕しました。同署によると、2人は内縁関係で「生活が苦しくてやった。サラ金の返済にあてた」などと供述しており、容疑を認めています。

 容疑は、男性が当時パートで月約20万円の収入があるにもかかわらず、無職と偽って申告しており、立川市から2年間に渡り生活保護費約計660万円をだまし取ったとしています。市が不正受給に気がつき、2008年に生活保護費の支給を停止し、2009年に同署に刑事告訴していました。



 人材活用の在り方を検討してきた内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」の分科会「人的資源活用検討専門チーム(座長・清家篤慶応義塾長)」は9日、「成長のための人的資源の活用と今後の方向性について」と題した労働市場改革に関する報告書を発表しました。

 政府の産業競争力会議などで経営者の代表が「労働者を解雇しやすいルールを作るべき」と主張し、雇用の流動化が議論されている中、雇用の安定化にも配慮するように強く求めました。

 報告書は、企業が競争力を強めるため「最適な人材配置を図り、より生産性を高めていく必要がある」と雇用流動化に一定の理解を示す一方、「こうした取り組みは企業内の人材移動を通じても可能だ」と指摘しました。勤務時間や職種を限定した「職種限定正社員」「業務限定正社員」など正社員の種類を多様化し、多元的な働き方が必要だとした上で、「改革を通じて雇用の安定化が図られる層が増えるよう配慮すべきだ」としています。

 また、転職しても賃金が下がらないようにするため、異なる企業の社員の能力を客観的な基準で評価できる「職業能力評価制度」の整備を求めている他、高齢化を受けて"生涯現役型社会"を作る必要があるとし、「高齢者の就労を促す形での年金制度の見直しが必要」と指摘したほか、女性の就労の促進のため「保育・子育て支援への重点投資を検討すべきだ」と指摘しました。

 2012年度1年間に倒産した企業の数は、1万700件余りで、中小企業を金融面から支援する中小企業金融円滑化法の期限延長や、東日本大震災の復興需要や公共投資の増加等を背景に、4年連続で前の年度を下回ることがわかりました。

 信用調査会社帝国データバンクによれば、昨年度、1000万円以上の負債を抱えて法的整理になった企業の数は1万710件と、前の年度より6.3%減少しました。負債総額については25.2%少ない2兆9291億円余りで、倒産件数、負債総額ともに4年連続で前の年度を下回りました。


復興需要により建設業の倒産が6年ぶりに2千件台まで減少したことが要因となっており、業種別では、建設業(前年度比12.9%減)、サービス業(同9.6%減)、製造業(同5.4%減)等が前年度を下回る結果となりました。一方で、円安等による原油価格の高騰で運輸業者の倒産件数は7.1%増の4年ぶりの増加で420件となり、業態別にみると、トラック運送(道路貨物運送)の倒産が282件で、構成比67.1%に達しました。



 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4月1日、2013年度の予算や資金計画を公表した。厚生労働省は団塊の世代の大量退職などによって国民年金と厚生年金の支給額は、団塊世代の大量退職などによって、約25兆2000億円となる見通しで、保険料や国庫負担では賄いきれないことから厚生労働省は積立金を4兆6000億円あまり取り崩す方針です。2012年度に比べて取り崩しの額は減りますが、現役世代から入ってくる保険料や税金で足りない分を積立金で賄う異例の事態が9年連続して行われています。

 公的年金は毎年入ってくる保険料と税金による国庫負担で給付それに、これまでの保険料の積立金の運用益などを財源に年金の支給を行っています。以前は保険料・税収と運用益で積立金が増えていました。
しかし、低成長や年金受給者の高齢化、団塊世代の大量退職などで毎年の収入だけでは給付がまかなえず、GPIFが積立金を取り崩し資産を市場で売却して年金の支払いに充てています。

 積立金は最も多かった2004年度末には、時価ベースでおよそ148兆円ありましたが、2011年度末の時点ではおよそ120兆円となっています。厚生労働省では「少子高齢化の進展に対応するため、現在、保険料や支給開始年齢の引き上げを進めている最中で、今後、積立金の取り崩し額は減少していく見通しだ」としています。



 工場で長時間の労働をさせられたのに月1万円の賃金しか受け取れなかったとして、20代のバングラデシュ人女性が4月3日、会社側に未払い賃金や残業代、慰謝料など計約876万円の支払いを求める訴訟を京都地裁に起こしました。

 訴えを起こしたのは2011年11月にバングラデシュから来日し、長崎県内の衣料品製造・販売会社の縫製工場で技能実習生として働いていた女性。Tシャツの縫製作業などに従事していましたが、仕事を辞めた12年7月まで毎月400時間を超える長時間労働をしたにもかかわらず、残業代が支払われず、基本給の賃金も約75万円未払いだったとしています。1カ月で休めるのは数日で、連日のように午前8時から翌午前0時ごろまで働いていたとのことです。

 月約10万円の賃金から寮費などが差し引かれて手元には1万円ほどしか残らず、会社側に不満を漏らすと帰国させられそうになったといいます。

 弁護団によりますと、1年目の外国人実習生(旧研修生)に労働法規が適用された改正入国管理法施行(10年7月)後、未払い賃金を求める訴訟は全国で初めてとのことです。
 厚生労働省は1日、厚生年金基金制度の見直しに向けた厚生年金保険法改正案の概要をまとめ、今国会に必要な法案を提出することになりました。

 代行部分(国から預かる資産)に損失を抱える基金は5年で解散させます。運用資産が代行部分の1.5倍未満にとどまる基金に対しては、解散または他の企業年金制度などに移行させます。1.5倍以上の資産などを持つ基金は存続を認めます。存続する基金は全体の1割弱の見通しです。



 4月1日から厚生年金の支給開始年齢が61歳に引き上げられるのに合わせて企業に希望者全員を65歳まで雇用するよう義務づける改正高年齢者雇用安定法が施行されます。

 高年齢者雇用安定法は定年を過ぎた60歳以上の雇用を確保するため、これまでも(1)定年の廃止(2)定年の引き上げ(3)継続雇用制度の導入のいずれかを導入する義務がありました。

 (3)継続雇用制度では、労使協定を締結すれば再雇用基準を独自に決めることができたため、65歳まで希望者全員が働ける制度ではありませんでした。
改正法では労使協定で再雇用者を独自に決めることができる基準を撤廃しました。希望者全員を雇用しない場合は企業名を公表されることがあったり、助成金を支給しないなどの措置も講じます。継続雇用の対象外となるのは、解雇事由に該当する場合や健康上の問題を抱えるなどの一定の場合に限ります。

 改正労働契約法も4月1日施行しました。同じ職場で5年を超えて働く有期契約社員が希望した場合、企業に無期雇用への転換を義務付けるものです。
  長期間働いているパートはモチベーションが高く、今回の法改正は安定した雇用の維持につながる。と前向きな意見もでており、無期転換に応じる企業も多い。しかし、体力のない中小企業を中心に、5年未満で有期契約を解除する「雇い止め」が増える懸念が一方ではあります。