2012年10月アーカイブ

 厚生労働省は、シルバー人材センターの会員が作業中にけがをした場合、健康保険も労災保険も適用されずに治療費が全額自己負担になるケースが相次いでいるため、業務上のけがを除外している健康保険の規定を見直し、労災保険が使えない場合は健康保険を適用する方針を決めました。

 厚生労働省は、それぞれの保険を担当する部局を集めて検討を進めた結果、業務上のけがを除外している健康保険の規定を見直し、労災保険が使えない場合は健康保険を適用する方針を決めました。

 一方で、シルバー人材センターから一般の企業に会員を派遣するケースなど人材派遣に近いものについては、雇用関係を明らかにしたうえで労災保険に加入するよう求めることになりました。

 同様に請負契約で働く人やインターンシップの学生などでも課題になっていることから、厚生労働省は社会保障審議会で議論したうえで制度を見直すことにしています。



 中小企業従業員の健康保険を運営する全国健康保険協会(協会けんぽ)が支払う医療費が12月中旬にも枯渇する見通しであることが10月28日、厚生労働省の調べで分かりました。赤字国債を発行するための特例公債法案が成立せず政府が予算執行抑制を続け、協会けんぽに対する補助金支出を見合わせているためです。
医療費の枯渇時期の予想は、インフルエンザなどの感染症の流行で新たに増大する医療費を想定していません。このため厚生労働省は「枯渇が早まることもありうる。医療費の推移を見守りたい」(厚労省幹部)として、
早ければ11月中にも枯渇する可能性もあるとみています。
協会けんぽから病院への医療費の支払いが滞ると、医療費の3割を自己負担している協会けんぽ加入者らが全額負担しなければならない事態に陥る可能性があることから、協会けんぽは銀行からの借り入れ方針を決めました。補助金が滞ることが原因の借り入れは初めてで、借金の利子は加入者が負担することになります。

 東京電力は、管理職に限っていた年俸制を12月から一般社員にも広げる方針を決め、労働組合に提案しました。また「チームリーダー」と呼ぶ一般社員の上級職については年功部分をなくし、役職に応じて賃金を決める「役割給」をとり入れます。総人件費を抑制しながら、やる気のある社員のモチベーションを引き出すのが狙いです。

 
 組合の合意が得られれば、12月をメドに年俸制を導入し、13年度から新制度に完全移行する予定です。年間約3500億円に圧縮していた人件費を新制度導入に伴いさらに約100億円削り、経営合理化を進めます。



 厚生労働省は24日、全国で生活保護を受けている人が7月時点で前月に比べて9192人増の212万4669人となり過去最高を記録したと発表しました。受給世帯も前月より6989世帯増の154万9773世帯で過去最高となりました。

 平成20年のリーマンショック以降、増加が続いており、厚労省は「高齢者の増加に伴って、今後も増加していく可能性が高い」と分析しています。

 世帯別では、高齢者世帯が67万1572人と最多で、次いで世帯主が病気やけがを負っている傷病者世帯29万8703人、障害者世帯17万5889人、母子世帯11万3743人などとなりました。働ける世代を含む「その他」世帯は28万3062世帯でした。

 生活保護費は今年度予算で約3.7兆円。来年度は約3.9兆円になるとされています。厚労省は保護基準の見直しや、就労支援の強化、医療費の適正化などを進めることにしています。

 2012年10月22日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は「財政について聴く会」(財政制度分科会)を開き、生活保護や年金などの社会保障予算を議論しました。生活保護は受けるべき人がきちんと受給資格を得て適切にもらえるようにすべきだ、との認識を共有する内容となりました。

 適正運用が必要な現状を示す一例として、生活保護の利用状況が大阪府が最も多く、富山県が全国で一番低いといった都道府県でばらつきがある点を議論し、給付の適正化を進める必要があることで認識を共有しました。デフレで所得が下がる実体経済の状況を給付水準に反映できていないといった点も議論され、2013年度から物価下落に見合った引き下げが必要との見解で一致しました。11月末に財務相に提出する答申に盛り込まれ、来年度予算編成の焦点の一つになる見通しです。

 併せて議論のテーマになった防衛関係費は国の歳出を71兆円におさめる中で縮小すべき予算、との考えが示され、装備品の高性能化でコストを削減するなどの論点も話し合われました。



 厚生労働省は10月19日、仕事中にけがをしたシルバー人材センターの高齢者らが労災保険の対象にならない場合、健康保険を適用して救済する方針を固めました。健康保険も労災保険も適用されず「制度の谷間」に落ちてしまう人が治療費の全額自己負担を強いられるケースが相次いだため、対策を協議していました。
厚労省は社会保障審議会医療保険部会での議論を経て、2013年の通常国会に健康保険法改正案を提出したい考えです。
シルバー人材センターを通じて請負の形で仕事をする高齢者や、インターンシップ(就業体験)中の学生らは、センターや企業との間に雇用関係がないため、仕事中にけがをしても労災保険を受けられない現状です。

 厚生労働省は17日、労働者派遣制度に関する研究会を発足させ、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣や、製造業派遣の在り方など制度見直しの議論を始めました。10月から日雇い派遣を原則禁止した改正労働者派遣法が施行されましたが、労働者を取り巻く環境がどう変化したかなどを調査し、来年夏ごろまでに制度の在り方に関する報告書を取りまとめる方針です。

 今回の派遣法の改正案には、登録型と製造業の派遣について、原則禁止が盛り込まれていましたが、「企業経営を圧迫する」という自公両党の反発で原案から削除されました。「骨抜き」とも批判されており、研究会の発足は、抜け落ちた規制強化案の「復活」を目指す民主党の意向が反映されています。

 同日の議論では、派遣法制定(85年)当時との時代の変化を踏まえ、見直しを求める声も出されました。こうした声を受け、厚労省は派遣期間に制限のない、通訳、添乗など「26業務」の見直しを検討します。

 研究会は今後、派遣労働者、派遣元事業所、派遣先に、労働環境や待遇などに関するアンケートを実施。関係者らのヒアリングなども行い、登録型、製造業の派遣の在り方について論点を整理、考え方を提示し、厚労相の諮問機関、労働政策審議会で検討する意向です。

 厚生労働省は2012年10月16日、後期高齢者医療制度(75歳以上対象)に対する現役世代の支援金に関し、賃金の高い大企業の負担が重くなる「総報酬割り」の13年度からの全面導入を断念する方針を固めました。

政府はサラリーマンの健康保険の格差是正に向けて税と社会保障の一体改革大綱に「総報酬割りの検討」を盛り込み、同省は13年度からの実施を目指していましたが、負担増に直結する大企業中心の健康保険組合連合会(健保連)の理解が得られないと判断しました。

 後期医療の財源の約4割(12年度5兆5000億円)は現役世代の支援で賄っており、各医療保険が加入者数に応じて分担しています。ただし、サラリーマンの健康保険では12年度まで3年間の特例措置で3分の1を総報酬割りで捻出しており、12年度の負担額は、健保組合1兆5100億円、全国健康保険件協会(協会けんぽ)1兆6100億円、公務員らの共済組合4900億円となっています。

 現在のルールでは、平均賃金は低くとも加入者の多い健保は負担が重くなっています。中小企業中心で所得水準の低い協会けんぽにしわ寄せがいくため、厚労省は総報酬割りの13年度からの全面導入を検討していました。全面導入で協会けんぽの負担は約2000億円減る見込みです。その分の国庫補助を削れるとの判断もありました。

 しかし一方で、大企業の健保は計1100億円の負担増となります。平均年収600万円の健保なら個人の負担増は月四千数百円(労使折半)で、健保連側は強く反発しています。09年度は5000億円近い赤字だった協会けんぽも11年度は約2500億円の黒字が見込まれ、「協会けんぽ支援」を理由とするのも困難な状況です。このため厚労省は13年度の全面導入は断念し、現在の特例の1年延長を軸に関係者と調整する方針に転じました。



 厚生労働省と財務省は75歳以上の医療費をまかなうために現役世代が負担する支援金制度を2013年度から変更し、加入者の所得が高い健康保険組合ほど負担を重くする方針です。

 75歳以上の医療費のうち医療機関の窓口で払う自己負担を除いた給付費のうち高齢者本人の保険料は約1割で、約5割を公費、約4割を現役世代からの支援金でまかなっています。

 財務省は15日の財政制度等審議会の分科会で現役世代の支援金で平均所得が高い健保ほど負担が重くなる総報酬割を支援金の100%に拡大する案を提言します。厚労省も11月から社会保障審議会で同案を議論し、来年の通常国会で関連法改正案の提出を目指します。



 印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は10月12日、印刷業に従事した経験のある11人が新たに労災申請したことを明らかにしました。申請は計45人(うち死亡29人)となりました。
この問題は、大阪や宮城県など全国の印刷会社でインクの洗浄作業などに関わっていた従業員らが相次いで胆管がんを発症したことが明らかになったものです。
厚労省によると、新たに申請した11人は男性10人と女性1人で、女性を含む6人は死亡します。年齢別では30代1人、40代2人、50代2人、60代6人。30代の男性はこれまでで申請が最も多い大阪市の印刷会社「サンヨー・シーワィピー」の従業員といいます。
厚生労働省は、先月専門家による検討会を設けて、申請した従業員らが労災に当たるかどうか検討をしていて、今年度中に一部の従業員らについては結論を出したいとしています
 東京医科大茨城医療センター(阿見町、501床)が12月1日に保険医療機関の指定を取り消される問題で、茨城県は9日、阿見町周辺の10市町の国民健康保険組合を集め、第2回対策会議を開きました。転院できない患者には従来の負担割合で受診・入院できる特例措置「療養費払い制度」について、各組合が利用を了承する意向を示しました。病状など、適用範囲を狭めます。同センターは、健康保険組合など国保以外の保険者にも、適用を求めていく方針とのことです。対策会議には、松崎靖司センター長ら病院側の関係者も出席しました。

 療養費払いの実施に同意した保険者は土浦、石岡、龍ケ崎、牛久、つくば、稲敷、かすみがうら、阿見、河内、美浦の10市町村。75歳以上の県後期高齢者医療広域連合も同意しました。今後は保険者である各市町村が適用のガイドラインを作成することになるとのことです。

 「療養費払い制度」は、今回の指定取り消しで10割に増える患者の医療費負担のうち、本来の保険者負担分(70歳未満は通常7割)を例外的に保険者が支払う制度。患者負担はこれまで通りの自己負担額(70歳未満は通常3割)のままとなります。実務的には、センターがいったんその7割を負担し、患者に代わって保険者に請求する「療養費受領委任払い制度」を検討しています。各組合は、市町村議会に報告するなどして正式に適用を決めます。

 制度の対象となるのは、救急治療、人工透析などの計画的治療、既に予約されている手術、転院により何らかの悪影響がある患者など。原則として、救急以外の新規患者は対象としません。県保健福祉部厚生総務課によると、同センター周辺の地域では約6割が国保加入者とのことです。

■最終段階ではセンターが負担も
 同センターの松崎靖司院長は5日、指定取り消し後初めて県保健福祉部と協議し、転院が促せない患者で、保険者が療養費払いを了承しない場合については、保険者分をセンターの負担とする考えを示しています。また、周辺10市町以外の国保組合に対し、療養費払い制度を要請する意向も伝えたが、県は「10市町での体制を作るのが先」との方針で応じました。



 厚生労働省が2013年度から、精神や身体に障害のある人も就職して働き続けられるよう企業と福祉施設の橋渡し役を担う「就職支援コーディネーター(仮称)」として、臨床心理士ら専門家を全国の労働局に配置することが2012年10月9日、分かりました。障害者の就職件数が過去最多となるなど就労意欲の高まりに対応するとともに、就労のきっかけをつくるのが狙いです。
 
 13年度から、企業に義務付けられた障害者の法定雇用率の引き上げも決まっており、厚労省は「これまで障害者を雇ったことがなかったり、雇う余裕がなかったりした中小企業への支援が重要だ」としています。関連経費として来年度予算の概算要求に2億9千万円を盛り込みました。
 
 厚労省によると、想定している対象は18歳以上65歳未満で在宅生活をしている障害者約330万人のうち、就労意欲のある人です。11年度の公共職業安定所(ハローワーク)での障害者求職申し込みは約14万8千件、就職件数が約5万9千件で、それぞれ過去最多となっています。
 
 支援の内容は、労働局に新たに就職支援コーディネーターとして配置した臨床心理士や精神保健福祉士が主に中小企業と施設との間で要望や適性を調整し、就労の実現を目指します。
 
 具体的には、コーディネーターが福祉施設や特別支援学校、病院と連携し、働く意欲のある障害者を中小企業の職場実習に参加するようにしたり、事業所の見学会を開いたりするということです。希望者には面接の受け方やハローワークの利用方法も伝えます。実際に就労する段階になれば、労働局の下部組織であるハローワークの職員が支援します。
 
 就職しても職場の理解不足などですぐに辞めてしまうケースも多いのが現状です。そのため職場にしっかり定着できるよう、各地の「障害者就業・生活支援センター」にも専門家を新たに置き、就職後の障害者からの相談を受け付けたり、助言したりするということです。

 国土交通、厚生労働の両省は建設業者に対し、従業員の社会保険への加入徹底を促すため、11月1日から建設業の許可・更新時や抜き打ち検査で保険加入状況を記した書面を確認する制度を導入することとしました。改善しない場合、厚労省の地方労働局や年金事務所に通報することとし、労働局などの立ち入り検査を拒否し続けると、数日間の営業停止や強制加入措置の対象とするとのことです。

 国交省の調査によると、建設労働者の2割が雇用保険、4割が健康保険や厚生年金に加入していません。ピークの1992年には84兆円あった建設投資が半減し、受注競争が激しくなっています。発注主からの価格引き下げ圧力に応じるために、下請け業者の間では社会保険料を削る傾向が強まっているとのことです。



 政府は4日、公務員の共済年金独自の上乗せ給付「職域加算」(平均月額約2万円)を廃止して15年10月につくる新上乗せ年金「年金払い退職給付」について、平均的な受給月額を職域加算より2000円低い1万8000円程度とする方針を固めました。また、現職、OBを問わず、守秘義務違反などを犯した場合、新年金の一部を減額できる懲罰的制度も設けます。政府は早ければ次期臨時国会に関連法案を提出する方針です。

 政府は仕事上の実践的な能力を全国統一基準に基づく「段位」で業種ごとに評価する新制度を立ち上げ、年内にも段位の認定を始めます。企業の枠を超えて働く力を測る物差しを整備し、成長性の高い介護、温暖化対策、農漁業高度化の3分野の人材育成につなげます。

 新制度は「キャリア段位制度」。約700職種を網羅する英国の職業能力評価制度(NVQ)がモデルとしていて「日本版NVQ」とも呼ばれます。①「介護プロフェッショナル」②温暖化ガス削減など気象の環境対策を担う「カーボンマネージャー」③農林漁業の経営力を高める「食の6次産業化プロデューサー」の3職種を先行して整備します。

 キャリア段位の特徴は、知識や技能を試験で認定するこれまでの資格と異なり、実際にどんな仕事ができるのか、職場での能力を評価する点にあります。入門クラスの「レベル1」から、その分野を代表する人材を示す「レベル7」まで7段位を設けます。

 政府は2020年度までに3分野で22万人への授与を目指すとのことです。

 厚生労働省は2012年10月2日、65歳までの希望者の継続雇用を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法の成立を受け、心身の健康状態や勤務状況が著しく悪い人を継続雇用の対象外とできることを明確にした指針を公表しました。一部の例外を認めることで企業の過度な負担増を避け、若年層の雇用に大きな影響が出ないように配慮しました。

 10月2日に開いた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の専門部会で説明しました。改正法では、65歳までの希望するすべての人の継続雇用を義務づけています。厚生年金の支給開始年齢が2013年度から25年度にかけて段階的に65歳まで上がるのに伴い、無年金・無収入の時期ができないようにする狙いです。

 指針では「心身の故障で業務にたえられない」「勤務状況が著しく悪く職責を果たせない」など、就業規則に定めた解雇・退職事由にあたる場合には継続雇用しなくてもよいと明記しました。

 部会では法改正に伴う省令の見直し案も示しました。法改正で継続雇用先として認められたグループ企業の範囲として、議決権が50%超ある子会社や、20%以上の関連会社を定めました。



 2012年10月1日、水戸労働基準監督署は男性社員に13カ月間で3日しか休日を与えなかったとして、労働基準法違反の疑いで、茨城県笠間市の和菓子製造会社「萩原製菓」と男性会長(69)、女性社長(54)を書類送検しました。

 監督署によると、社員は昨年8月30日、仕事を終えて帰宅後に倒れ、心室細動により、同9月1日に30歳で死亡。今年2月、過労死が認定されました。

 送検容疑は、労基署に労働協定の届け出をせずに、平成22年8月から死亡直前の昨年8月までに休日を3日しか与えず、計53日の休日労働をさせた疑いとなっていますが、会長と社長は容疑を否認しています。

 タイムカードには毎月100時間以上の時間外労働が記載されていたが、会社側は「休憩を取っていた」と否定し、確認できなかったとのことです。

 会社側の、男性が製造本部長の役職にあり、労基法の時間外労働や休日の規定が除外される「管理監督者」の立場にあるとの主張に対し、労基署は、実際には出荷管理の担当で規定が適用されると判断しました。