2012年6月アーカイブ

 障害者雇用について議論する厚生労働省の厚生労働省の研究会が26日開かれ、同省は企業などに新たに精神障害者の雇用を義務づけることが適当とする報告書案を示しました。 義務づけには労使の代表で構成する厚労相の諮問機関・労働政策審議会の合意を得て、障害者雇用促進法を改正することが必要となります。 報告書案では、精神障害者の就職件数が増え、就労支援員のハローワークへの配置が進むなど支援策も拡充しているとし、義務づけが適当としました。対象は精神障害者保健福祉手帳を持つ統合失調症やそううつ病などの患者となります。  同法は身体、知的障害者の雇用を企業などに義務づけており、企業の法定雇用率は1・8%。雇用率は障害を持つ労働者と失業者が、全ての労働者と失業者に占める割合から計算します。精神障害者の雇用を義務づけると雇用率が上がるため、更なる雇用が求められる使用者側の反論も予想されます。

 2012年6月26日、厚生労働省は中央最低賃金審議会を開き、2012年度の最低賃金の基準作りの議論を開始しました。学識経験者と労使の代表で7月中をめどに改定幅の目安を決定します。今年度の議論では最低賃金で働いた場合に1か月の収入が生活保護の受給額を下回る「逆転現象」の解消や、東日本大震災で落ち込んだ伸び幅の回復が焦点となっています。

 最低賃金は、企業が従業員に支払わなければならない最低限の賃金で、都道府県ごとに金額が決められ、現在の全国の平均は時給で737円です。政府は2010年にまとめた新成長戦略で名目3%、実質2%を上回る経済成長を前提に「2020年までに全国最低800円、全国平均1000円を目指す」との目標を掲げています。



 企業の求人意欲が高まっているのに、賃金相場は上昇していません。医療や介護などサービス関連企業が雇用を大幅に増やしましたが、このような分野で働く人の賃金はむしろ減少しています。雇用のサービス業シフトが賃金相場を押し上げる米国とは逆の動きを見せています。非正規雇用の賃金の安さやがんじがらめの規制を背景に、賃金が上がりにくい仕組みが定着しています。
 規制によりサービス関連企業の収益力が高まらないことも賃金引き上げの逆風にもなっているようです。医療や介護は成長分野ですが新規参入や取扱い業務の規制が厳しいのが現状です。株式会社の病院の参入は企業から要望が多いですが、特区を使った診療所1か所しか認められていません、企業が求める人材に求職者の技能水準が伴わないミスマッチも背景にはあります。給与が高い専門職や技術職は人手不足ですが、一般的な事務職は人手が余っています。事務職の求職者間の競争が激しいため、賃金が低く抑えられる傾向があります。賃金相場が上昇しない限り、長引くデフレから抜け出すことは難しいと考えます。雇用の増加が見込める分野で規制緩和を進め、非正規社員が能力発揮して高い賃金をえることが出来るような制度を作ることが急務です。

 厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会は21日、パート労働件者に関し、仕事や人事管理が正社員と同じなら、有期雇用であっても待遇を正社員と同等とするよう求める建議を小宮山洋子厚労相に提出しました。同省は建議に基づくパート労働法改正案を来年の通常国会に提出することを目指します。

 現行法ではパートタイム労働者のうち、次に該当する場合は、賃金や福利厚生などで正社員と差別することを禁じています。
1 職務内容や異動の有無など人事管理が正社員と同じ
2 実質的に雇用期限がない
建議は2の要件を削るよう求めました。



 AIJ投資顧問の問題を受け、厚生年金基金の改善策を検討中の厚生労働省の有識者会議が2012年6月19日開かれ、財政再建が厳しい基金については、自主的な解散を選択しやすくすべきだという認識で大筋一致しました。

 厚生年金基金は、公的年金である厚生年金の一部も国に代わって運用(代行運用)していますが、株価の低迷で全体の4割が厚生年金の支給に必要な資金(代行部分)が足りない状態(代行割れ)となっています。基金が解散するためには代行部分を国に全額返さねばならず、そのために解散できない基金もあるため、有識者会議は国への返済額を縮小して基金側の負担を軽くする案を打ち出すこととなりました。



 厚生年金基金の見直し策などを検討している厚生労働省の有識者会議は、赤字の同基金が解散しやすくなるよう国への返済額を減額すべきだとした報告書の原案をまとめた。19日の会議で示す見込みです。ただ、減額分は厚生年金加入者全体で穴埋めすることになります。

 厚生年金基金は公的年金である厚生年金の保険料の一部を国に代わって運用していますが、運用難から年金を払うだけの積立金を保有できていない基金も多数に上ります。こうした基金が解散するには、不足分を国に返す必要があります。返済は基金を構成する企業が連帯して行いますが、資金不足から連鎖倒産する恐れがでてきています。



 民主、自民、公明3党は6月15日未明、社会保障・税一体改革関連法案のうち、社会保障分野の修正について大筋合意ました。公明党を交えた3党で6月14日から15日未明にかけて行った実務者の協議で、自民党が撤回を求めていた、民主党の「最低保障年金創設」と「後期高齢者医療制度廃止」の政策に関し、撤回の方針を明示せず、新設する「社会保障制度改革国民会議」に検討を事実上棚上げします。
6月21日に会期末を迎える今国会での衆院採決に向け、焦点は民主党内の了承手続きに移ります。
自民党は対案である「社会保障制度改革基本法案」で年金、高齢者医療について「現行制度を基本」とし、民主党が2009年衆院選政権公約(マニフェスト)で掲げた最低保障年金創設と後期高齢者医療制度廃止の撤回を求めていました。しかし、公明党の説明によると、この日の実務者協議では、自民党が民主党の要求を受け入れ、まず「現行制度の現状を踏まえ」て社会保障制度改革国民会議で議論すると表現を弱め、最終的には「現行制度」という文言を削除することにしたといいます。自民党は対案の名称についても民主党の要求に応じ、「社会保障制度改革推進法案」としています。

 厚生労働省は、新たに精神障害者の採用を企業に義務づける方針を固めました。障害者の社会進出をさらに促す狙いです。企業に達成が義務づけられている障害者雇用率は、上がることになりそうです。身体障害者に加え、知的障害者の雇用を義務化した1997年以来の対象拡大になります。企業だけでなく、国や地方公共団体などにも義務づける予定です。

 今秋から労働政策審議会で議論し、来年にも障害者雇用促進法の改正案を通常国会に提出します。

 障害者雇用促進法は企業などに、全従業員にしめる障害者の割合を国が定める障害者雇用率以上にするよう義務づけています。障害者の範囲は身体、知的に限られていたが、そううつ病や統合失調症などの精神障害者を加えることになります。



 一つの会社に定年まで働き続ける「終身雇用」を支持する人が増え、およそ9割の人が支持するようになっているという調査結果がまとまりました。

 この調査は、厚生労働省が所管する「労働政策研究・研修機構」が、去年11月から12月にかけて行い、全国の2200人余りが回答しました。それによりますと、終身雇用について「良いと思う」「どちらかと言えば良いと思う」と答えた人は87.5%で、調査を始めた平成11年以降で最も高くなりました。

年代別に見ても20代から70代以上までのすべての年代で80%を超えるようになっていて、特に20代では10年前、平成13年の調査より20ポイント以上増えるなど、若い世代で終身雇用を支持する割合が急激に増えています。

 また、勤続年数とともに給与が増えていく「年功賃金」についても「良いと思う」と「どちらかといえば良いと思う」と答えた人が74.5%で、これも10年前より20ポイント以上増えて過去最高となりました。

調査を行った労働政策研究・研修機構の郡司正人主任調査員は「厳しい社会情勢のなか、働くことへの考え方が保守的になっている。転職を重ね、キャリアアップしたいと考えたとしても明るい未来を描けずにいるのではないか」と分析しています。



 民主、自民、公明3党は2012年6月11日夕方、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案について社会保障に関する3回目の分科会を衆院議員会館で開き、修正協議を継続しました。

 最低保障年金などの扱いが焦点となっていますが、民主党は、将来の年金・医療制度は「社会保障制度改革国民会議」に委ねるとした自民党の対案に前向きに応じる姿勢です。これについて、自公両党は最低保障年金創設や後期高齢者医療制度廃止の白紙化を明確にするため、政府が2月に閣議決定した一体改革大綱を撤回するよう求めています。

 2012年6月11日の衆院一体改革特別委員会で、岡田克也副総理は公明党の坂口力元厚生労働相の質問に答え、「(民自公の)協議の結果がそれと異なるなら、協議の結果が優先される」と述べ、3党協議の結果を尊重すべきとの方針を強調しました。



山形県金山町は6月8日、前健康福祉課医療介護係長の男性職員(48)が2011年10月から今年3月末にかけて介護保険に関して不適切な事務処理を行っていたと発表しました。
町は役場で記者会見を開き謝罪するとともに、男性職員を6月11日付で停職6カ月の懲戒処分とします。
男性職員は昨年10月以降、65歳になる高齢者25人に対し、介護保険料(計63万4000円)の納付書を28通を送付する必要があったにもかかわらず送っていなかった。また納付済みを装うためシステムを不正操作し、自ら10人分の23万8100円を立て替え払をするなど発覚を逃れていたといいます。
今年5月下旬、同課職員が不審点に気付き発覚しました。男性職員は「他の業務に追われ、納付書を送り忘れてしまった。大変申し訳ないことをした」と事実関係を認めています。町は11日から「未納付」になってしまった25人を戸別訪問して謝罪し、今年度中の納付を依頼します。
町によると、男性は昨年10~12月、65歳の誕生日を迎えた町民28人に発送すべき介護保険料の納付書を自分の机の引き出しにしまったまま、郵送するのを忘れていた。異動後の5月下旬、別の職員がシステム上の納付額と実際の納付額が一致しないことに気付き、不正処理が発覚しました。保険料の着服はなかったといいます。
町は当時の上司ら3人を3カ月・減給10分の1の懲戒処分とする。また鈴木洋町長も町議会の議決を経て、3カ月・減給10分の1とする方針。
 厚生労働省は6月5日、2011年の合計特殊出生率は1.39で、前年と同じだったと発表しました。
過去最低だった05年(1.26)の後は上昇傾向にありましたが、頭打ちとなっています。2011年は出生数も前年比2万606人減の105万698人と過去最低を記録したほか、一層晩産化が進み、第1子出産時の母の平均年齢は30.1歳。前年より0.2歳上昇し、初めて30歳を超えました。
  原因としては、若者の雇用が悪化し、結婚しにくくなったうえ、保育所不足など子育ての環境が整っていない等が考えられます。30代後半の団塊ジュニア(1971~74年生まれ)の出産が峠を越し、このままだと日本の人口は長期的な減少傾向となるのは確実です。少子化対策の練り直しが急務となっています。

 国土交通省は2012年6月3日までに、建設労働者の社会保険加入率向上のため、建設業者が都道府県に営業許可を申請する際、雇用保険と健康保険、厚生年金の3種類の加入状況を記した書類の提出について義務付けをすることを決定しました。既に関係省令は改正されており、11月から適用となります。

 2011年の政府調査によると、雇用保険と健康保険、厚生年金のすべてに加入していた建設業者は全体の84%で、労働者では57%に留まっていました。保険未加入の業者を放置すると、技能を持つ人材が建設業界に集まりにくくなり、保険料を支払っている業者が競争で不利益となるため、対策が必要とされていました。



 復旧工事が進む東日本大震災の被災地で作業員の労災事故が相次ぎ、岩手、宮城、福島の3県では昨年3月11日~今年4月末、復旧関連工事の死傷者が438人(速報値)に上り、うち死者は18人だったことが2012年6月4日、分かりました。復興特需の陰で人手不足が深刻化していることが背景にあり、業界団体や自治体が対策を急いでいます。

 被災建物の解体現場で重機に激突されたり、屋根の修理中に転落したりする事例が目立ち、命綱を付けずに高所で作業するなど「明らかな労働安全衛生法違反」もあるということです(宮城労働局)。3県の中では、宮城県が249人(うち死者8人)と突出しています。