2012年2月アーカイブ

 2012年2月27日、厚生労働省の検討会はメタボリックシンドロームに注目した「特定健診・保健指導」について、肥満ではないため現制度では指導対象にならないものの、血圧などが高めの人にも丁寧な情報提供や保健指導の実施が必要と認め、制度を見直す方針に合意しました。

 厚労省は、2013年度からの制度見直しに反映させる予定です。特定健診・保健指導の制度では、これまで内臓脂肪の蓄積が生活習慣病の原因と位置づけられ、腹部肥満が保健指導の第1条件とされてきましたが、今回の制度の見直しではこの枠組みについて、非肥満者への対応を医療保険者や市町村などに追加で求める予定となっています。

 非肥満者でも血圧や血糖などの値が高めの場合、心筋梗塞など心血管疾患の危険性が高まることが国内外の研究で分かっているため、現在の制度ではチェックに漏れてしまう非肥満者についての対策が求められていました。

 また、慢性腎臓病患者の場合は非肥満者も多いため、現在の制度では腎機能低下の兆候を見落とす可能性がありましたが、検討会は、腎機能障害の早期発見のための検査値「血清クレアチニン」を、新たに特定健診の検査項目に追加する方向で合意しました。



 厚生労働相の労働政策審議会は23日、企業に対して希望者全員の65歳までの再雇用制度の導入を義務づけることなどを盛り込んだ高年齢者雇用安定法改正案の要綱を小宮山厚労相に答申しました。

  厚労省は3月に改正案を国会に提出し、2013年4月の施行を目指します。

 現在の高齢法では、企業が定年後に再雇用する人を、勤務評価などで選別する基準を設けることができるが、要綱ではこの規定を廃止するとしました。



厚生労働省は21日、社会保障と税の一体改革で行う年金制度改革について、所得が低い高齢者の年金額に、一律、月6000円を加算して支給することや、年収が850万円を超える高齢者の基礎年金を減額することなどを決めました。今国会に関連法案を提出し、消費税の10%への引き上げを想定する15年10月の実施を目指します。

年収850万円(控除後の所得550万円)を超える人から徐々に減らし、1300万円(同950万円)以上の人は国庫負担分全額をカットして給付を今の半額とする方針。

 減額対象は基礎年金の税財源部分(2分の1)。厚労省は当初、減額対象者を年収1000万円以上とする方針でしたが、高所得者には税を投入しない民主党の新年金制度案に合わせて減額対象を広げました。同省の推計では、減額対象となるのは24万3000人(受給権者の0.9%)。税財源部分全額が削減され、基礎年金が半額(実施時月額3万2000円を想定)となるのは8万1000人(同0.3%)。



 総務省が20日発表した労働力調査(岩手、宮城、福島の3県を除く)によると、2011年平均の非正規労働者は1733万人と前年比48万人増加しました。雇用者に占める割合が35.2%(前年は34.4%)と2年連続で過去最高を更新しました。非正規雇用で働く若者が増えているのに加え、定年退職し、嘱託や契約社員など非正社員として再雇用される人が多いためです。

 40歳から64歳までの現役世代が支払う介護保険料は、2012年4月以降、平均で月額4600円余りと2011年度よりおよそ180円増え、これまでで最も高くなることが厚生労働省の推計で分かりました。
   介護保険制度では、介護サービスにかかる費用の半分を税金でまかなううほか、3割を40歳から64歳までの現役世代が、そして残りの2割を65歳以上の高齢者が支払う保険料などで負担する仕組みになっています。高齢化に伴い、介護サービスを利用する高齢者が増えていることや、事業者に支払われる介護報酬がことし4月から全体で1.2%引き上げられることから、厚生労働省は2013年度において介護サービスにかかる費用はおよそ8兆9000億円と、これまでで最も多くなると推計しています。これに伴い、現役世代が支払う保険料も増え、ことし4月からの1人当たりの負担額は、平均で月額4697円と今よりも181円増え、これまでで最も高くなることが分かりました。保険料の半額は企業が負担するため、自己負担は平均で月額2349円で、いまよりも91円増えることになります。また、高齢者が支払う保険料もことし4月からは全国平均で月額5000円前後になる見通しで、高齢化が急速に進むなかで、増え続ける介護費用をどのように負担していくかが課題となっています。
 政府は2012年2月14日、国民一人一人に番号を付けて納税記録や社会保障情報を管理する共通番号「マイナンバー」制度を導入するための「個人識別番号法案」を閣議決定しました。政府は、平成26年6月に番号を交付し、27年1月の利用開始を目指します。番号制導入当初は、年金や税などの分野に限定するほか、個人情報の保護に配慮して行政組織などを監視する第三者機関の設置や、情報漏洩(ろうえい)に対する罰則を盛り込みました。
 
番号制は、所得や社会保障の受給実態を把握し、個人や世帯の状況に応じた社会保障給付を実現することが目的です。納税の公平性・透明性を高めるため、政府が実施を求めてきました。このほか、年金の受給手続きの簡略化や、災害時の金融機関による被災者への保険金支払いなどにも活用できます。
 
個人情報の流出や不正利用が懸念されていますが、政府から独立した第三者機関「個人番号情報保護委員会」が立ち入り検査などを行う強い権限を持つほか、情報漏洩した行政職員らに最高で4年以下の懲役、または200万円以下の罰金を科すとしました。
 
政府は、社会保障と税の一体改革に関連し、番号制を消費税増税に伴う低所得者対策に活用することも検討しています。番号制を使って所得をより正確に把握することで、低所得者に所得税を払い戻したり、給付金を支給したりする「給付付き税額控除」の導入につなげたい考えです。
 
ただ、内閣府が実施した世論調査では、8割以上が制度の内容を「知らない」と答え、周知の低さが浮き彫りになっています。

 2012年2月13日、日本年金機構は15日に支給する年金で、17億円が未払いになる見込みだと発表しました。年金受給者から本来より多く所得税を源泉徴収するミスが起こり、約7万人の年金支給に影響が出ます。未払いとなった年金は3月15日に支払う予定です。

 本来より多く所得税が取られ、未払いとなる年金は、一人あたりの平均で2万3千円となっており、最高額は5万1千円で、最低額は1万円です。年金機構はミスに気付きましたが口座振り込みの変更手続きが間に合わないため、15日に支給する昨年12月分と1月分の年金については未払いが発生することとなります。

 65歳以上で年金額が年158万円以上、65歳未満で108万円以上の人は、年金から所得税が源泉徴収されます。扶養親族がいれば所得税の課税額が5%として計算されますが、10%として計算するミスが起こり、年金の未払いが発生することとなります。年金機構は外部業者に扶養親族の入力作業を委託していたが、7万人分について処理漏れが起きているとのことです。



 民主党の年金作業チームは9日、高所得者の年金減額と、低所得者の年金上積みの具体案を示しました。一定所得以下の受給者に対し一律月6000円を加算するとともに、低所得で年金保険料の免除期間がある人には、減免実績に応じて最大1万666円をさらに加算します。
 加算対象となるのは、次とおりです。

 (1)家族全員の市町村民税が非課税
 (2)年金収入を含めた所得が基礎年金の満額以下-の両方を満たす低所得者。

  高所得者の年金減額では、年収850万円以上の人から基礎年金を減らし始め、1200万~1300万円程度で最大月3万2千円を減額します。



 2012年2月6日、厚生労働省は、国民年金保険料の2年分の前払いで保険料を4・0%割り引く案を社会保障審議会年金部会に示しました。国民年金保険料の納付率を引き上げ、将来無年金となる人を減らすのが狙いです。法改正の必要はなく、早ければ平成24年度から実施する見通しです。

 現在の国民年金保険料の前納制度は1カ月、6カ月、1年の3種類で、割引率はそれぞれ0・3%、1・1%、2・1%。23年度の保険料(月額1万5020円)で試算した場合、1年分の17万6460円を前払いした場合でも割引額は3780円にとどまります。新たに前払いを2年分まで拡大すると、34万6140円を一括納付することとなりますが、割引額は1万4340円に増額となります。

 前納制度の拡充は、現在25年の受給資格期間を10年に短縮するなど社会保障と税の一体改革で無年金者を減らす政策を進めたことが大きく関わっています。厚労省はすでに無年金となっている65歳以上の高齢者についても法改正後、過去に10年以上の納付期間があれば年金を支給する方針で、これによって無年金者42万人のうち17万人が年金を受給できるようになります。

 国民年金保険料納付率は5年連続で低下しており、22年度は制度開始以来最低の59・3%でした。20代前半が49・2%、20代後半が46・6%-と若い世代ほど納付率が低いのが特徴。厚労省は割引制度拡充による納付率アップを期待するが、雇用悪化を受け、保険料を払いたくても払えない若年層も少なくなく、効果は限定的となる見込みです。



 厚生労働省は2011年2月3日、年金生活者や自営業者らが入る国民健康保険(国保)の2010年度の実質収支が3900億円の赤字になったと発表ました。赤字幅は前の年度より650億円拡大し、2008年度の後期高齢者医療制度の導入以降で最大となっています。高齢化や新たな医療技術の普及によって医療費の膨張に歯止めがかからないことが主因で、多くの市町村が保険料の引き上げを迫られれています。
 後期高齢者医療制度の導入で75歳以上の高齢者が国保から離れたため、いったんは改善に向かったが再び悪化が進んでいます。市町村が10年度に投入した税金は09年度より430億円多い3585億円。保険料収入の範囲で医療費の給付を賄う保険の原則成り立っていないのが現状です。
 また、実質収支が悪化したのは、高齢化などの影響で医療費が膨らみ、保険給付が前の年度比3.2%増の8兆8258億円に膨らんだためです。一方で、保険料収入は2.1%減の2兆9851億円に落ち込んでいます。景気低迷で保険料算定の基礎となる所得が減った影響も原因のひとつです。給付額と保険料の差は年々広がる傾向にあり、急速に赤字拡大しています。
 保険料の納付率は88.6%で、過去最低だった09年度よりも0.59ポイント上昇しています。ただ、これは失業者の保険料を一部減免する制度を導入した影響が大きく、保険料を納める人が急増しているわけではありません。
 また政府は社会保障と税の一体改革素案に、パートなどが企業健保に加入できるようにする施策も盛り込んでいます。実現すれば国保の財政改善につながるが、その分企業の負担が膨らむ見通しがでています。

 厚生労働省が1日に発表しました2011年の勤労統計調査(速報値)によると、基本給や残業代、ボーナスなどを合わせた労働者1人当たりの現金給与総額は、月平均31万6642円と前年比0.2%減少しました。前年実績割れは2年ぶりになります。


 厚生労働省は、従業員が5人以上いる全国およそ3万3000の事業所を対象に、毎年、基本給やボーナスなどを含めた働く人1人当たりの給与総額を調査しています。それによりますと、去年の給与総額は、ひとつきの平均で31万6642円で、前の年より679円、率にして0.2%減り、2年ぶりに前の年を下回りました。産業別に見ると、不動産業が34万2668円と4.8%減少したのをはじめ、教育・学習支援業が38万4645円と2.4%減るなど、11の産業で前の年を下回った一方で、製造業が36万8317円と前の年より1.6%増えたほか、建設業が37万7763円と1.2%増えるなど、5つの産業では前の年を上回りました。このほか、働く人1人当たりの労働時間も、去年は月平均で145.6時間と、前の年に比べて0.6時間、率にして0.4%減り、2年ぶりに前の年を下回りました。



 藤村修官房長官は1日午前の記者会見で、年金抜本改革に必要な財源の試算を、民主党で再計算し3月末までに公表するとの見通しを語り、「具体的な制度設計や財政試算をどうつくるかを党で検討している」と述べました。
 3月中に予定される消費税率引き上げ関連法案の提出前に、公表する見通し。開催めどの立たない社会保障と税の一体改革に関する与野党協議を促す狙いがあります。先月末に発表された将来の推計人口などを基に再計算します。
 民主党は昨年春、最低保障年金と所得比例年金を組み合わせる新年金制度への移行に伴い、新たな財源として最大で消費税7・1%分が必要とする試算をまとめたが、公表していませんでした。
 野党は、一体改革協議の前提として公開を要求。野田佳彦首相は1月31日の衆院予算委員会で、非公式な試算を公表しなくても隠蔽(いんぺい)ではないと説明した上で、「責任ある公表とはどういうことかを検討している」と述べていました。
藤村修官房長官は、3月末までに新たな試算を公表する考えをいったん示しながら、数時間後に撤回。「寝耳に水」の党側は当惑した状態となりました。