2011年11月アーカイブ

 「社会保障・税一体改革大綱」の具体化に向け、民主党の年金、医療・介護、生活保護の各作業チームは2011年11月29日、それぞれ報告書案をまとめました。
 
年金では、パートやフリーターら短時間労働者に厚生年金の適用を拡大するよう求めたほか、年金の給付額が本来より2・5%高くなっている「特例水準」の解消に取り組む考えを示しました。報告書案は、政府・与党が年末に策定する大綱のたたき台で、社会保障の安定財源を確保する消費税率10%への引き上げの前提となる施策と位置付けられています。

報告書案は30日の党厚生労働部門会議に示され、12月中の大綱策定に向けて党内議論が本格化します。党執行部は消費税増税に備え、負担増や給付抑制につながる見直しにさらに踏み込むよう求める可能性もあります。
 
厚生年金の適用拡大は、将来の低年金者や無年金者を減らす狙いがあります。労働時間が「週30時間程度以上」の場合に加入できる現行制度を見直し、「週20時間以上」に広げる方向です。これにより、約400万人が加入する見込みです。
 
ただ、パートらが多い小売業などでは適用拡大により保険料負担が新たに発生することに慎重論が多く、報告書案もこれらの業界を念頭に「激変緩和措置」を講じるよう求めました。



 政府・民主党は28日、外来患者の医療費の窓口負担に一律100円を上乗せする新制度「受診時定額負担」について、2012年度からの導入を見送る方針を固めました。

 政府・与党の6月の「社会保障・税一体改革案」で、新制度で捻出する財源を、一部の中・低所得者の医療費負担軽減に充てると明記したことへの反発が強いためです。

 受診時定額負担に基づく厚生労働省案によると、定額負担額を原則100円、低所得者(住民税非課税世帯)は50円で導入した場合、年間3700億円の財源が確保できるとしています。同省はこれを、中・低所得者の高額療養費の負担軽減に回すとしていました。



 2012年度の診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会(中医協)で11月25日、保険者などの医療費の支払い側と医師などの診療側が意見を表明しました。支払い側は「診療報酬全体の引き上げは到底国民の理解と納得が得られない」と指摘し、一方で診療側は「引き上げによる医療費全体の底上げを強く求める」とし、意見が対立しました。
   来年度改定される診療報酬のうち、医師の人件費などに当たる本体部分を巡っては、政府の行政刷新会議が行った「政策仕分け」で、「デフレや民間企業の賃金の状況を踏まえれば、引き上げは国民の理解を得られない」などとして、据え置きや引き下げを訴える意見が相次ぎ、厚生労働省にもこれを重く受け止めて対応するよう求める提言をまとめました。これについて、小宮山厚労相は、11月25日夜の記者会見で、「重く受け止めたいが、診療報酬の本体部分がマイナスになったら、勤務医の処遇改善など、前回の改定をプラスにして実現したことができなくなる。本体部分がマイナスになってはいけない」と述べ、診療報酬の本体部分の引き下げに否定的な考えを示しました。また、小宮山大臣は「診療報酬のうち、薬の価格・薬価が下がる分、本体部分を上げないと、プラスマイナスゼロにはならない」と述べ、診療報酬全体については、引き上げを見送って据え置く形で決着させることも選択肢の1つだということを示しました。

 厚生労働省は24日、市町村が運営している国民健康保険に加入する低所得者の保険料軽減の対象を現行の年収223万円以下(3人世帯)から、約310万円以下(同)に拡大する見直し案を社会保障審議会の医療保険部会で示しました。

 市町村国保の保険料は、加入者が定額を負担する部分と、所得に応じて負担する部分があり、軽減は定額負担について行われています。現行では、年収98万円以下で7割、147万円以下で5割、223万円以下で2割の負担減となっているが、これを約310万円以下にまで拡大します。



 2011年11月21日、厚労省は市町村運営の国民健康保険(市町村国保)について、低所得者向け保険料軽減の対象者を現行より所得の高い層まで拡大する方針を固めました。公費の投入を増やすことや、財政運営を都道府県単位化の推進をすることで財源を賄うとのことです。

 厚労省は市町村国保が、加入者の所得が低く、巨額の赤字であること等、構造上の課題があるため、低所得者支援の拡充と財政基盤の強化を一体的に進める方針です。



政府税制調査会は2011年11月16日、2012年度税制改正に関し、厚生労働省が要望している配偶者控除の廃止・縮小を見送る方向で調整に入りました。社会保障と税の一体改革に伴う税制抜本改革の議論の中で、13年度以降の実施を改めて検討します。

配偶者控除は、民主党が09年衆院選のマニフェスト(政権公約)で子ども手当の財源確保のために廃止を打ち出しました。しかし、党内で反対論が根強いことに加え、消費増税の議論本格化を控えている事情もあり、先送りはやむを得ないと判断しました。五十嵐文彦財務副大臣は、この日の税調会合後の記者会見で「少し時間を取って根本的な議論を進めたい」と話しました。

大阪労働局(大阪市中央区)は15日、今年9月以降、労災死亡事故が急増していることから、大阪労働局は15日、管内の労働基準監督署長を集めた緊急対策会議を局内で開き、集中的な立ち入りや個別指導の徹底を指示しました。
 同局によると、今年の労災事故で死亡したのは47人。昨年同期(10日現在)に比べて5人多くなっています。業種別では建設業が16人と最多で、転落事故が目立ちます。次いで13人を占める製造業では、機械に巻き込まれる事故が多発しており、経験年数5年以下の労働者が7割に上りました。
 会議では、西岸正人局長が府内13署の署長に「監督署が主体的に動いて対策を浸透させ、死亡事故の防止につなげるように」と訓示しました。例年事故が年末に増えることを踏まえ、「実情に応じた効果的な対策を実施してほしい」と指示しました。
各署は年末までに製造業250事業所、建設業300事業所を回り、現場監督者の適切な配置や、足場や手すりなどの事故防止措置の徹底を指導します。


 民主党は国会で継続審議中の労働者派遣法の改正案を大幅に修正する方針を固めました。民主、自民、公明3党が「製造業派遣」や仕事があるときだけ雇用する「登録型派遣」を原則禁止する規定を削除することで大筋合意したことが2011年11月15日わかりました。

 自民党などの反発に配慮し、修正案から外すといいます。臨時国会で審議を再開し、早期成立を目指すが、野党内には異論もあり調整は難航する可能性もあります。生産の繁閑の差が大きい自動車・同部品業界などは今回の禁止見送り歓迎しているようです。

 2011年11月14日までに、民主・自民・公明3党は派遣労働者への不当な処遇の防止のための「労働者派遣法改正案」について、仕事が発生した時だけ契約を結ぶ「登録型派遣」や、「製造業派遣」の原則禁止を削除する等の修正で大筋の合意をしました。

 派遣法改正案は登録型派遣や製造業派遣を原則として禁止、また、違法派遣があった場合、派遣先企業が労働者に労働契約を申し込んでいたものとみなす「みなし雇用制度」を導入し、2カ月以内の日雇い派遣も原則禁止としました。



 自民党幹部は13日、国家公務員の給与改定に関し、政府が見送りを決めた2011年度人事院勧告(人勧)を完全実施した上で、さらに給与を削減する法案を議員立法で国会提出する方針を明らかにしました。内容としては、国家公務員給与を7.8%引き下げる政府の特例法案への対案として、国家公務員給与を平均0.23%引き下げる人勧を実施した上で、給与引き下げ幅を7.8%まで上積みする独自法案します。地方公務員の給与も国家公務員に準じて7.8%程度まで引き下げるよう求める考えです。自民党は「人勧は公務員の労働基本権を制約することの代償で、勧告無視は憲法違反だ」と批判していましたが、人勧実施により、地方公務員の給与削減も狙う予定です。政府は、国家公務員給与の0・23%引き下げを求めた人勧実施を見送り、年収を平均7・8%削減する臨時特例法案を成立させ、東日本大震災の復興財源に年間2900億円を充てる方針です。

 小宮山厚生労働相は9日の衆院予算委員会で、厚生年金の支給開始年齢の68~70歳への引き上げについて、「来年の通常国会、あるいは再来年という短時間の中で法案を提出することは考えていない」と述べました。


 68歳以上に引き上げるための法改正は、少なくとも2年間行わないと明言したものです。

野田佳彦首相は9日午前の衆院予算委員会で、年金制度を一元化して所得比例年金に月額7万円の最低保障年金を組み合わせる新制度について「13年までには法案が提出できるように環境整備に努めたい」と述べ、民主党の09年衆院マニフェスト(政権公約)を踏まえ、13年中の法案提出を目指す考えを強調しました。

厚生労働省は、先に政府・与党がまとめた社会保障と税の一体改革案をもとに、年金や医療、介護などの改革の具体案作りを進めており、来年以降、順次、必要な法案を国会に提出する方針です。これについて、小宮山厚生労働大臣は9日の衆議院予算委員会で、所得が低い高齢者の年金額を加算することや、年金の受給資格を得るための加入期間を今の25年から短縮することを、来年の通常国会に提出する法案に盛り込む方針を示しました。また、専業主婦らの年金救済法案に関し、本来より多く年金を受け取っている受給者への「過払い」解消には、法律公布から最長5年かかるとの見通しを明らかにしました

世帯年収に応じて月々の負担に上限を定めている公的医療保険の「高額療養費制度」で、治療中に加入保険の切り替わった被保険者の一部が、自己負担分の上限を超えて医療費を「二重払い」していたことが、毎日新聞の取材で分かりました。各種健康保険組合や国民健康保険を運営する地方公共団体などの保険者間での調整がないのが原因で、支払額が月額上限の約2倍に上るケースもあります。医療団体は「患者の負担軽減が制度の目的なのに放置しているのは行政の怠慢だ」と批判しており、厚生労働省などは改善を迫られそうです。
 
同省は二重払いの発生数などのデータは把握していない状況です。同省への問い合わせは月1件程度で、被保険者が気付かずこうしたケースが多数潜在している可能性があります。
 
取材によると、愛媛県の50代男性の場合、2011年9月初めに病気で手術を受け、入院中の同月中旬、雇い主の都合で退職して国保に自動加入し、同月下旬に治療を終えて退院しました。
 
男性は世帯年収が200万円程度から約790万円の中間所得者で、高額療養費の負担上限が規定の「8万100円+α」(αは医療費から一定額を差し引いた額の1%)で済むと考えていました。ところが、会社の健保に上限額を支払ったほか、国保でかかった自己負担分約2万1000円も求められました。
 
厚労省によると、自己負担上限月額約8万円の人の保険が切り替われば、二つの保険の自己負担分として最大計約16万円を支払う場合も出てきます。同省国民健康保険課は「保険制度はそれぞれあり、他方の給付状況を見ることができないので、調整は今のところ考えていない」と説明しています。
 
労働者住民医療機関連絡会議の斎藤竜太議長は「病気で解雇されて国保になる人もおり、弱者に追い打ちをかけることになる。すぐに是正すべきだ」と話しています。

 職場での性的な嫌がらせ、いわゆる「セクハラ」を受けてうつ病などに追い込まれた人を支援しようと、厚生労働省は、全国の労働局に臨床心理士などの専門の相談員を配置することになりました。
 厚生労働省にると、全国でセクシュアルハラスメントいわゆる「セクハラ」を受けてうつ病などに追い込まれたとして労災に認定されたケースは、2010年度は8件、2009年度は4件と年間数件にとどまっています。しかし、セクハラの被害者の多くが他人に知られるのを恐れ、労災の申請や相談を控える傾向にあることや、うつ病などを悪化させるケースがあることから、被害者が相談しやすい環境を整備すべきだと指摘されて続けていました。このため厚生労働省は、2012年度から全国47か所の労働局に臨床心理士などの専門の相談員を配置することにしました。相談員は、窓口で被害者の相談に応じるほか、セクハラの実態を聞き取って労災の申請を支援するとしています。厚生労働省は「専門の相談員の配置に合わせて、セクハラについての労災の認定基準も新たに定めることとし、審査の迅速化を図りたい」といいます。

ハローワークの利用者アンケートによると、求人票の記載の中で最も重要視し
ている項目は、「仕事の内容」欄です。「仕事の内容」欄を記入する際、次のこ
とがポイントとなります。

【記入のポイント】
・具体的な仕事内容がイメージできるよう、詳しく書きましょう。(仕事内容
 が4~5行にわたって記述されていると、応募が多くなるという調査結果もあ
 ります)
・経験を問わない募集の場合は、専門用語の使用は避け、初めての人でもどのよ
 うな仕事か想像できるような記述を心掛けなしょう。
・経験者を募集する場合は、どのような仕事に携わるのか、どの程度の経験が必
 要なのかを詳細に記入しましょう。
・学歴・免許・資格、経験欄については、その職務に必要不可欠か、あれば望ま
 しいという程度か、などを明確に記入しましょう。
・入社後の将来像がイメージできる表現となるよう心掛けましょう。

 政府、民主党は2011年11月1日、公的医療保険から病院や薬局などに支払われる診療報酬について、2012年度改定で引き下げることを視野に検討に入りました。賃金の低迷が続き、デフレ脱却のめども立たないため、医療機関の収入増を図ることに国民の理解を得るのは難しいと判断したたためです。東日本大震災からの復興に巨額の費用が見込まれ、医療費の一部を負担する国の財政が逼迫している事情もあります。

 ただ、党の厚生労働部門を中心に、プラス改定を主張する意見も根強く、年末の予算編成まで激しい折衝が続きそうです。

 医療費の財源は保険料が49%、税が37%、患者負担は14%となっています。



 2011年10月31日、厚生年金について、高所得者の保険料を引き上げる検討が、社会保障審議会年金部会で始まりました。
 厚生労働省は、保険料を算定する月収基準の上限を現在の約2倍に引き上げる案を提示しています。現在は月収60万5千円以上の人は保険料は一律となっていますが、この上限を健康保険と同じ117万5千円に増加する案となっています。この案だと年金額も大幅な増額となるため、給付の増額抑制策も同時に検討されています。